きょうの一歩 【難病を抱える息子きょうちゃんとの日常】

難病を抱えて生まれてきた息子、きょうちゃんとのちょっと変わった家族の日常とこれまでの歩み

ブログタイトル

「食べない」きょうちゃんのお食事事情

 

離乳食も食べないミルクも飲まない!きょうちゃんのお食事事情

今回は経管栄養を利用するきょうちゃんのお食事(注入)中の様子をご紹介します。

一言で言ってしまうと、

1歳11ヶ月、彼の栄養源はミルクと麦茶と時々エネーボ、以上です!!!

 

その他オレンジジュースやリンゴジュースはあげれば少し飲むことが出来ますが、それ以外の固形物やペーストや汁物、お菓子などなどは一切食べません。

しかし!これでもすくすくと成長し、現在体重は10kgを越え、身長は82cm。なんと発達曲線の範囲内です。すごいでしょう!

 

今回はきょうちゃんの日々の食事の様子に加え、摂食外来を受診するまでの経緯や訓練についてと、皆さんに知って欲しいことをまとめてみました。

長~~いですよ! 

ATTENTION!

個人の経験談として書いているので、皆さんもこうするといいよ!という意図はありません。あくまでも「きょうちゃんの場合」という理解でお願いします。

では前置きはこのくらいにして、早速きょうちゃんの食事の様子をご覧ください。

きょうちゃんの食事の様子

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いつもこんな感じです…麦茶以外のものを口に運ぶことは一週間に一度あったらいいなくらいの感じで、こんな状態がもうずっと続いています。

これでも「麦茶をストローで飲めるようになるなんてすごいわよ!」と先生に褒められるんですよ…

うん、すごい、きょうちゃんにとってはすごいけど、是非もっと上をめざしていただきたいわ…

 

さて、一見してなんで親が食べさせてあげないのかな?食器で遊ぶなんて行儀が悪い!…そう感じた方もいるかもしれません。

ここからこの食事スタイルに至るまでの経緯や解説をしていきますね。

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 解説

摂食外来

食べないことを摂食外来という科にかかって診てもらっています。

摂食外来について書かれた記事はこちら

www.kayarimo.com

【受診までの経緯】

心臓に負担がかかること、誤嚥して肺炎になると大変、という理由から管を通して栄養を摂っていましたが、生後4か月で初めて口から栄養を摂ることを許されました。

その頃には与えられたものに吸い付く反射も消失していたためか、サチュレーションが低く息苦しいためか、鼻から喉を通って胃まで入れている管があるためか、元々食べることが苦手な子だったのか…原因はわかりませんが、練習を始めたものの全く口からミルクを飲む気配がありませんでした。

生後6か月で退院するときに看護師さんに、

「食べられなかった時期と同じくらい、食べられるようになるには時間がかかると考えた方がいいですよ。ゆっくりね。」

と言われましたが、半年どころか1年半近くたっても気配がないです看護師さん…

 

ミルクも水もほとんど飲めないままでしたが、さらさらだと逆に飲み込みづらいと聞くし、とろっとしたペースト状のものなら食べやすいかもしれないと考え、8か月頃から離乳食を与え始めました。

きょうちゃんは嫌な顔をしながら数口食べることがあったり、手で払いのけたり。

それでも食べさせていれば、味を覚えてくれれば、後々彼のためになると、食べられるようになると思って、きょうちゃんに食べさせようと必死でした。

この頃は食べてくれないことに焦り、毎日の食事の時間が苦痛で苦痛で仕方がなかったです。

私の母も孫が食べられるようになって欲しいと願ってか、「いただきますあそび」の本を送ってくれました。

いただきますあそび (あかちゃんのあそびえほん)

いただきますあそび (あかちゃんのあそびえほん)

 

きょうちゃんのお気に入りの一冊になりました。ページをめくるたび、「ぅゎぅまぁ~~う!(いただきま~す)」と元気いっぱいに声を出して読…じゃないよいただけよ!!!笑

 

しかしやはり全く食べ始める気配がなく、それまで診てもらっていたところからより専門性の高い「摂食外来」を紹介してもらい、10か月頃に受診しました。

 

「嫌なことを強要してはいけない、彼にとって食事の時間は苦痛なものになっている。お母さんが食べさせてはいけない。」

「美味しいね、と言わない。彼は美味しそうに食べているように見えますか?」

 

そう、初めての摂食外来を受診したときに言われました。

先生のお話は衝撃的でした。食べるようになるために「食べさせない」。

そして、自責の念に駆られました。

私が今まできょうちゃんのためになると嫌な思いをさせてまでしていたことは、彼のためになるどころか彼を苦しめているだけだったのですから。

 

この日から食べさせることはやめました。

そして、きょうちゃんが食べたいという気持ちを抱くのを今も待っています。 

 

【基本方針】

そこの先生の指導の基本方針が以下です。

個人の特性によって多少変わると思いますし、あくまでも「食べない子」に対してのものですのであしからず。

基本方針

親が食べ物を口に入れることは絶対にしない。子どもが食べ物に興味を持って自分で口に運ぶのを待つ。

注入も食事。注入中は椅子に座らせる。おもちゃで遊ばせたりはせず、遊ぶとしても食事に関連するもので遊ばせる。

・やって欲しいことをしたら褒める、やって欲しくないことをしたときは反応しない。食べ物をわざと落としたりしても淡々と「食べ物は机」と言って机に戻す。

・やって欲しいことをしたときは、真似をする。例:子どもがスプーンを口に入れたら親もそうする(真似されると嬉しい=食事が楽しい)

・親も一緒に食べる。お話をしながら美味しそうに食べる。

・注入は2、30分で終わらせる。(メリハリをつけ満腹感を感じやすくするため) 

この指導方針を踏まえた上での、上の食事の様子なのです。

場面ごとにちょっと付け加えてお話しますね。

1枚目

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機嫌よく椅子に座ることができるということがもう進歩!すごい!

以前は座らせようとしただけで体を反らして抵抗していましたからね…嫌なイメージがついてしまった椅子(バウンサー)は片付け、新しいお食事椅子を購入したのも効果があったかな。

食事は嫌なこと、苦しいことというイメージが強くて、まずはそのイメージを変えていくところから始まったのですが、お食事椅子に座るのも嫌がらず(ごはんだよと声をかけると自分から椅子のそばに寄っていくことも)、さらに麦茶限定ですが「んふふ(むぎちゃ)!」と要求することも出てきて、少しずつ食事に対するイメージは変わってきているのかなという印象です。

 

食べ物に対してはまだまだ嫌悪感いっぱいで先は長そうですが!

食べ物に拒否反応を示して口に運ぶどころか手で触るだけでも基本的に嫌がります。

机の上から排除するために仕方なく手に取るけど、なるべく触りたくない感が雰囲気や表情でひしひしと伝わってきます。

今は手で掴んで持てる、硬いクッキーや歯応えのあるドライフルーツ、口に物が残らない飴などを与えています。

口の中に固形物がいくらか残るとえずいて吐いてしまうためです。

味噌汁やスープを与えることもあります。ストローで飲めるものだとどれどれ…と警戒しつつ一口飲むこともありますが、そもそも温かい飲み物を好まないこともあり、一口で押しのけてしまいます。

食べたくなるのを待つって、こんな様子でいつになったら食べ物に興味がわくんでしょうね…(白目)

食べなくても満腹感は得られるし本人が困ることはないから、必要感もないんでしょうね。

 

2枚目

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注入も食事だから遊ぶのは食事に関連するもの。例えばスプーンやおわんなどの食器だけでなくにんじんスティックなどの食べ物で遊ばせるようにします。

スプーンを両手に持ってカチカチ鳴らしたり、机に打ち付けたり、お椀を机の上で転がしたり…世間一般的にはお行基の悪いとされることでも手に持てたね、とポジティブに捉えるべき対象なのです。

スプーンに対しても「これは食べ物をすくうもの」という認識があるからか持って遊ぶこともあまり無いので、手に持つだけでもすごい、さらに口に入れられたら万々歳!という感じです。

 

話は少し脱線しますが、今家でやっていることは一般的に見ると行儀が悪いんですよね。

今の第一優先事項が「食べ物に親しもう」なので、家ではそれでいいかもしれません。

でもこの先集団生活の中に入って周りがお弁当を食べる中、スプーンや食べ物で机を叩いたりして遊んでいたらどうでしょう。周りに対して迷惑をかけるのではないか、悪影響なんじゃないか、変な目で見られてしまうのではないか…という不安があります。のちのち先生に相談してみないとと思っていますが、外での振る舞い方も覚えてもらわないといけませんね…

 

食事に対してのイメージが変わってきたとはいえ、座っている間麦茶以外のものを口にすることはほぼないから手持無沙汰になるし 目の前には嫌いな食べ物が置いてあるしで、15分くらいでイラストの通り不満げな声を漏らし始めます。(10分くらいでぐずり出すことも)

本来は注入が終わるまで椅子に座ったままがよいのですが、それはまだ難しいようです。無理やり座らせておくと悪いイメージに繋がってしまうので、様子を見て切り上げます。

この見極めが難しい…ぐずれば出してもらえると思われても困るから、ちょっとぐずって見せてるのか心の底から出して欲しいとぐずってるのか、様子を見ながら声をかけています。

 

ご馳走さまができるとわかるとぱっと表情が変わります…困ったやらかわいいやら…

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3枚目

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椅子から降ろしてからも床に座って食事関連のもので遊ばせるようにと言われていますが…無理です…

椅子とテーブルしかない食事専用部屋ならまだしも、椅子から降りればおもちゃでいっぱいなんですもの…

だからイラストのようになってしまうのですが、こうならないためにも椅子に座ったまま注入を全て終えるのがベストなんですよね。それはまだ難しそうだなあ。

注入を全て終えたら、「お腹いっぱいだね。」とお腹をさすってやります。

本人が満腹感や空腹感を感じているのかはわかりません。行動に表れないのです。手術や検査の前に絶食になることがありますが、その時も全くぐずりません。

ただ、暑い日のおでかけ中やお風呂上りはもちろん、日常的に麦茶を要求してくることはあるので、喉の渇きは感じることがあるんだろうなという感じです。

 

4枚目

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注入開始から終了まで30分というのは驚異の時間ではないかと思います。

経管栄養で鼻から胃まで管を通していると、本来締まっているはずの胃の入り口が管のせいで締まりきらず、一般的に吐きやすくなるのだと外科の先生に言われました。

きょうちゃんも1歳になる前はよく吐いていました。だから1回の注入に1時間半近くかけてゆっくり入れていたのですが、それをいきなり目標30分で!と言われたのです。

長時間かけて入れるとメリハリがなくなり、満腹感や空腹感を感じられないから…とのことです。想像すると確かに…長い時間だらだらと食べていたらお腹も減らなさそうですよね。

でも、そりゃそうなんだけど…ええ、吐くぞ…とビビりながら少しずつ注入時間を短くしていきました。

するとどうでしょう。1か月ほどで注入時間を30分程度にすることができました。先生もびっくりの期間だったようで、外来に来た患者さんのご家族にきょうちゃんのお話をしているのよ、と言われたくらい。本来はもっと時間がかかることのようでした。

 

そして、吐かない。というか1時間半近くかけて注入していた頃とあまり変わりませんでした。(注入直後にうつ伏せをしてしまったときは吐きやすくなっていたような気がします。)

メリハリがついて胃を休める時間ができたのがきょうちゃんには合っていたのかなと思います。

今は30分で濃いめのミルク280mlプラス、口から飲む麦茶と様子を見ながらのエネーボ少量でも吐かなくなりました。前吐いたのいつだっけ、というくらいには。

 

次のステップとしては、食べ物に対する拒否反応から、食べなくてもこれは何だろうと興味を持てる対象へと変化させることかなと思っています。

きょうちゃんの通っている習い事では色々な遊びを経験させてくれるのですが、やはり食べ物を取り上げたものも多いのです。

野菜ハンコで遊んでみよう、お弁当を作ってみよう、果物(の人形)でジュースを作ろう…などなど。

食べ物関連だと途端に興味を失うし、活動から逃げてしまいます。

それだと後々困ることが出てくるんじゃないかという心配もあるので、食べ物への拒否反応をなんとか出来ないかなと。

あまりまだ困ってはいないですが、食べ物や果物、野菜など知っているものが少ないです。最近やっとりんごとトマトとぶどうを覚えました。

 

そして最終的な目標「口から食べる」ということを達成するためにも、興味をもつところからかなと!それがめちゃくちゃ難しいんですけどね~~

生まれてから母乳をしみ込ませた綿棒を口に入れて味というものを知っていたら、私がきょうちゃんに食べさせたりしていなければ、今もう少し食べられるようになっていたのかな…とよく考えてしまいます。

そんなこと考えてもどうしようもないんですけどね!

 

そんなこんなで、もう食べないことに対してくよくよする気持ちが無くなりました。

食べてくれればいいなという気持ちはもちろんありますが、今の食べない状態を受け入れているというのかな。

焦っても何も変わらないし、のんびりやりますか、という感じです。

「ぎいー!」と怒りながらスプーンを床に投げつけたりするのを見ると「きみ何も食べてないじゃないの」とイラっとすることはありますが笑

今この状態でも生きていてくれるだけいいか、と思えるくらいに穏やかな気持ちで過ごせています。

 

終わりに

「食べない」きょうちゃんのお食事事情、いかがだったでしょうか。

これを書くの、ちょっと勇気がいりました。

これを見てどう思うのかなって。

親のやり方が悪いとか、食べない食べない言うけど食べさせてないなら食べるわけないじゃないとか、食べさせてみたらいいのにとか…そう思う人もいるんだろうなと。

私自身、このやり方がきょうちゃんにとって最善なのかはわかりません。あまりにも進まないので、もっと他にやりようがあるんじゃないかと思うこともあります。

でもきっと、今はこのやり方でやるしかないんだろうなとも思います。

今後、フォンタン手術を終えれば生まれつきの息苦しさが解消されるし、その後おそらく受けることになるであろう胃ろうの手術を終えれば胃管が無くなり喉の違和感も解消される。就園すれば、同じ年齢の子たちが美味しそうに食事をする様子を見ることが出来る。

食べられるようになるきっかけはこの先にたくさんあるんじゃないかと期待しています。その時にきょうちゃんにとって適切な方法を見誤らないようにしたいです。

 

いつか「きょうちゃん全然たべなくて本当に心配だったんだからね〜!」と笑い話にできる日を夢見て、根気よく向き合っていきたいと思います。

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