きょうの一歩 【難病を抱える息子きょうちゃんとの日常】

難病を抱えて生まれてきた息子、きょうちゃんとのちょっと変わった家族の日常とこれまでの歩み

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いざフォンタン手術へ

 

いざフォンタン手術へ

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1月27日、フォンタン手術に向けてカテーテル治療を受けた。今回の治療は側副血管に対するコイル塞栓術というのだそう。

きょうちゃんのようにサチュレーション*1が低い(84前後)と、酸素をよりよく供給しようとして側副血管という細かな血管がもじゃもじゃと発達していくとのこと。主要な血管が閉塞したときにそれを補うようにできることもあるそう。

話は逸れるがきょうちゃんの太ももの付け根からの太い静脈も塞がってしまっているので、側副血管が発達している。(カテーテル検査・治療等で針を何度も刺したため道が塞がってしまった。昔は針を刺しすぎると血管が使えなくなってしまうなんて知らなかったなあ)

グレン循環までは側副血管があることできょうちゃんの体は助かっていたんだけど、フォンタン循環にするためには一転、邪魔になってしまう存在なのだ…なんだか切ないね…

そのためフォンタン手術をする準備としてコイル(チタンなどの金属らしい)を詰めて、側副血管を塞いだというわけです。フォンタン手術を受ける人皆が皆やるわけではないらしいよ。

しかし、今はまだグレン循環。グレン循環で活躍してくれていた側副血管が無くなったため、サチュレーションは少し落ちた。人によって落ち方は違うみたいだけど、きょうちゃんは今までよりも1〜2くらい落ちた印象。(それでも80台はキープできているから、在宅酸素は利用せず。)そのため今回のカテーテル治療から2週間以内にフォンタン手術をするというのがうちの病院では一般的なよう。

きょうちゃんはカテーテル治療から9日後の2月5日にフォンタン手術をすることになった。

約1年9ヶ月ぶりの開胸手術、どきどきそわそわうつうつです。

 

入院中のきょうちゃん

先日ツイッターにあげた漫画にも描いた今回は初めてトリクロで寝なかった。

トリクロとはトリクロールシロップのことで、眠れないときや検査を受けるためにお世話になっている。飲んだことはないけれど、甘くて苦い、らしい。

これで眠れなかったことはないんだけど、今回のきょうちゃんは違った。

トリクロで酔っ払った(ようになった)のだ!

基本的に大人しいきょうちゃんがベッド上でどたばたそわそわ、抱っこをしても脱力してすり抜ける、歩きたがるので手を繋いで歩かせるも(トリクロ眠るお薬だから、ふらっと倒れてしまうことがあり服用後は注意が必要)千鳥足でよたよたふらふら歩く…本当に酔っ払いみたいだった…

術前の点滴からの睡眠導入剤も、うとうとしてきたかなと思ったら突然にたにた、うふふ…へへ…と笑うものでちょっと怖かったです…笑

いつもと違うって嫌な予感を感じてしまうことが多くて少し不安だったんだけど…杞憂に終わってよかった。

 

病室に帰ってきてからは、針を刺した部分からの出血を防ぐために安静に過ごさなければならない。足を曲げるのもよくないので、足を伸ばしてあおむけ拘束。

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今回もこんな感じの拘束だった。点滴のルートは左手だったけどね。(以前あげた漫画より)

今までのカテーテル検査や治療では3時間の拘束だったのが、今回のコイルを詰める治療では6時間の安静が必要とのことで…

前回穏やかに過ごしていたきょうちゃんも、さすがに6時間ベッドにはりつけにされるのはしんどかったよう。気が紛れるようにとDVDを見ていても時折、

「あっうーわ(だっこして)」

と訴える。今はダメなんだよ、もう少し待ってね、なんて言うと、だめなんだなということが伝わるようで「うううう…」と切なく唸ったり、少し泣いたり、黙ってDVDに目線を戻したり。気持ちの切り替えは早いようですぐ諦めてDVDに意識を向けるのだが、少し時間が経つと

「あっうーわ」

 と、そろそろいいでしょ?と言わんばかりに聞いてくるのだ…これを繰り返してなんとかかんとか6時間耐え抜いてくれた。激しく泣くようなことはなく、鎮静はなし。頑張ったね…

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フォンタン手術を受けると

きょうちゃんは生まれた時から開胸しての心臓手術は3、4回は必要になるだろうと言われていた。そう言われていた通り、両側肺動脈絞扼術→ノーウッド手術→グレン手術ときて、フォンタン手術で4回目。今のところこれで最後。

フォンタン手術はきょうちゃんのように左心室が小さかったり、(使える)心室が一つしかない心臓病に対して行われる手術だそうで、きょうちゃんにとっては根治術となる。根治術とは、疾患を完全に治療することを目的とした手術という意味らしいのだが、この手術を受けてもきょうちゃんの病気は治るわけではない。恐らくきょうちゃんの心臓、身体にとって一番よい状態に落ち着くだけ。生まれ持った心臓の形までは変えられない。それこそみんなと同じようにするなら移植しか手はない。

予定していた手術が終わっても心臓の奇形は基本そのまま、血管の繋がり方や太さ、血液循環等がきょうちゃんにとってベストな状態に落ち着くだけで治ったわけではないから、「治って良かったね!」という声掛けは正確に言うと間違っている。おそらく今後も血管の狭窄だったりカテーテルの検査だったり、もしかすると開胸手術があるかもしれないしね。

だからと言って「治って良かったね!」と言われたからと言って敵意剥き出しにして「治ったわけじゃない!」とは言わないけども。相手によって「いや~治ったわけじゃないんだよねうんぬん…」となんとなく説明したり、「ありがとうございます~」でさらっと流すだけなんだろうなあ。うん、後者の方が多そうだ!(コミュ障)

予定していた手術が終わっても病気が治ったとは言えないことも多々あるのだ。

 

さて、今回の手術で大きな変化になると思われる点は、

  • サチュレーションが100近くなる(前述の通り今まではよくて84前後)
  • 血液循環の流れが変わり、心臓への負担が軽くなる代わりに他の臓器への負担が増える

この2つ。(術前の説明はまだだからはっきりとはわからないけど…手術の前日なのよね詳しい説明って…)

サチュレーションが100近くなる

健常の人は90前半になるだけでもしんどいらしいね。本人は生まれてからずっと70~80台で低いのが当たり前だったから、辛そうにはしていない。歩いているときに息が荒いなと感じることはあるけれど、寝息は息をしているのかと心配になるくらい静か。

だから100になったらどれだけ本人の感じ方が変わって行動に変化が表れるのかがとても楽しみ!体が軽くなってびっくりするかなあ。今は比較的大人しい方だと思うんだけど、常に動き回る落ち着きのないきょうちゃんになったりして…

そしてほんの少しだけ、口から食べてくれるきっかけになるかもという期待もしている。ほんのちょっとだけね。

血液循環の流れが変わり、心臓への負担が軽くなる代わりに他の臓器への負担が増える

らしいよ!これはまだ詳しく勉強できていないし術前説明で聞こうと思っているんだけど、そうらしい。調べてみたら、「フォンタン術後症候群」なんてまんまの名前がついていた。本来の人間の血液循環とは異なるフォンタン術後特有の血の流れ方は、身体にとって大きな負担になるとのこと。

フォンタン手術が終わって「あーよかった」では終われないみたい。酷だなあ。

終わりじゃなくて始まりという感じがしている。みんなとは違う心臓の形、血行動態でこれからきょうちゃんは生きていくのだ。

 

終わりに

私とのお付き合いが長い方はご存知かもしれませんが、きょうちゃんの入院前後や入院中は私の余裕が無くなるので、イラストもブログもしばらくお休みします。ツイッターにはいると思います。

またきょうちゃんが退院して落ち着いたら色々更新したりなんだりしたいと思いますのでよろしくお願い致します!

さて、本日入院です。いってきまーす!

 

ああああ手術こわいよおおおお…早く日常に戻れますように。

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*1:動脈血のヘモグロビンのうち何%が酸素と結びついているかを表した医療用語で、健康な人なら100%近い値になる。