きょうの一歩 【難病を抱える息子きょうちゃんとの日常】

難病を抱えて生まれてきた息子、きょうちゃんとのちょっと変わった家族の日常とこれまでの歩み

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【フォンタン手術に伴う入院の記録後編】ハイケア病棟から退院まで

 

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前編はこちら!

www.kayarimo.com

入院中につけていたメモを元にまとめているので、話がとびとびになっているところがあります…ご了承ください。 

ハイケア病棟から退院まで

術後5日目

尿道カテーテルと血圧を常時測るための右手のルートが必要無くなり、ICUからハイケア病棟へと移動になった!DVDを見て一緒に歌ったり手を叩いたりと機嫌よく過ごすことができて、順調だなと思っていた矢先。
夕方に突然不機嫌になり激しく泣き、鎮痛剤を入れて落ち着いたかと思えば5回にわけて嘔吐。空っぽになるまで吐いた。結果、一度の注入で200㏄入っていたミルクは一旦中止。全ての栄養、水分を点滴に切り替えて胃を休めることとなった。経口での麦茶もお預けに。
フォンタン後は下半身からの血流が滞るため、胃腸の働きが弱まる子が多いとのこと。そもそもきょうちゃんは弱いし、ここまでのペースが速すぎた。まだ術後5日しか経っていないのだ。ゆっくり行こう。きょうちゃんはというと、5回目の嘔吐を終えてやっとすっきりしたのか、その後は穏やかであった。

 

術後6日目

看護師さんの説明に寄ると、ミルクがストップしてからは吐いていないとのことだったので、少し胃が休まったのかなと思っていたら昼頃に少しだけ吐いた。薬は胃に注入だしね。(胃を動かすための漢方薬が重いのか…本末転倒な感じだけど仕方ない)まだ気持ち悪さがあるんだろうな。
鎮静の点滴がなくなってから、日中はほとんど眠らなくなった。普段通りの睡眠時間に戻った感じ。ドレーン*1を抜くときに鎮静の薬を投与されたにも関わらず、うとうとするだけで眠らなかったみたい。ずっと大人しく起きてテレビを眺めていた。
お腹から入っていたドレーンが全て抜けたのでベッド上であれば立ったり座ったりまで安静度は低くなったものの、体がだるいのかまだ座ったりはしない。ただ横になっていれば機嫌良く、それこそにこにこ笑って私たちの頭を撫でてくれたり、歌に合わせて一緒に声を出したりして過ごすことができた。きょうちゃんが穏やかに過ごせることが一番。
時折麦茶とアピールするものの、まだ絶飲食中なので何とか気を紛らわせて誤魔化す。早く飲みたいねえ。

 

術後7日目

今日は座ることができた!座りたいと言うアピールがあったので、座らせてあげたら少しだけ。でもまだ本調子とは程遠いので、すぐにころんとしてしまった。うんうん、ゆっくりね。
ほとんどの時間を起きて過ごす。寝ない。寝ても30分弱なので、私が寝たのを見計らってご飯を食べに行き帰ってきたら既に起きているという感じ。寝たら帰っちゃうって思ってるのかなあ。寝たきりであまり体力を使わないからかなあ。術後だし動いてなくても起きているだけで疲れそうだけど…

基本的に寝たきりなので、娯楽はほとんどテレビ。消すと怒る。消灯時間になり部屋が暗くなるとやっと消すことを許される。そしてきょうちゃんはスイッチが切れたようにすぐに眠りにつくのだ。
夜間の酸素が2Lから1.5Lになっていた。

 

術後8日目

酸素が2Lに戻っていた。深く寝入るとサチュレーション*2が90まで落ち込むことがあるみたいで、まだ2Lで様子を見ようということになったらしい。
昨日のお座りに続き、今日は立つことができた!おむつを替えた後、私が重さを量ってゴミ箱に捨てて戻ってくるその短い間にきょうちゃんは立ったようだ。サプライズ。驚く私を見てきょうちゃんはしてやったりというか、得意げな表情。一人でではなく側にいた看護師に支えられてのたっちではあったけど、立とうという気持ちがわくくらいには身体が楽になったのかと思うと嬉しかった。足元はふらふらであった。座って遊ぶ時間が明らかに昨日よりも長くなった。

胃が休まっただろうということでミルクの注入が再開された。20mlから始まって一日で60mlまで増えたぞ。経口での麦茶も解禁!全てストローであげてしまうと一日の摂取上限量をすぐに超えてしまうので、スポイトでちびちびあげる。

 

術後9日目

左手に二箇所あるうちの点滴のルートが一つなくなった!これで残るはあと一つ。左手肘上のルートを残すのみ。心臓に確実にくすりがいくように深く入ってるやつなんだって。

ミルクはというと、140mlまで増えた。6時間に1回の注入ペースで、胃残がなければ+20mlずつ増やしているとのことで、順調に増やせていっているよう。吐いた経緯を考えればペースが速い気もしたけれど、しっかり消化できていて胃もやっと調子よく動き出したようなのでこのまま様子を見ることに。

 

術後10日目

ミルクが200mlまで増えた。ミルクが再開してから3日目にして、点滴で補っていた水分や栄養が終了!ミルクで十分栄養がとれてるからだって!

 

術後11日目

夫と一緒だと交代で休みに行けてよい。休日ということもあり、特に大きな変化はなく、穏やかに過ごす。(のでメモを全然取っていなかった、迂闊)

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術後12日目

面会に来たらプレイルームでしれっと遊んでいるものだから驚いた。ベッド上安静が解除され、プレイルームで遊べるようになったようだ。立って移動しようとしたりもしていたみたい。わーい病室以外で過ごせるぞ~と喜んでいたんだけど、一度ベッドに戻ってから立つのも移動するのも嫌がった…横になっていたいんだってさ。ということでDVD鑑賞をして過ごした。
いつもは私が面会に来る前に終わっている体拭きのケアがまだということだったので一緒にやったら、目に見えて痩せていた!皮が伸びているところがあったし、足も明らかにほっそりしていた。体重を聞いたら、10.6kgとのこと。約1kgの減量。11分の1痩せたって考えたらだいぶ軽くなってしまったように感じた。大人で考えたら4、5kgくらい落ちたってことだもんね。立たせるとふらつくのも当然だ。
明日から離乳食を出してもらえることに。昨日までに野菜ジュースやメイバランス、ポカリスエットなどをスポイトで飲めているから、期待が高まってしまう…ずっと感じなくなっていた「食べて欲しい」という欲求が湧いてきてしまった。食べないだろうけど、食べて欲しいなあ。
おしっこがよく出ているために塩化ナトリウムが処方された。初めてだ。薬の袋に入った塩…
酸素が1Lになる。

 

術後13日目

面会に行くと鼻から酸素を取り込むためのカニューレが無くなっていた。0時くらいから外したみたい。外してもサチュレーションが94程度はキープできているからこのままいけるかもとのことだった。ええ~昨日酸素の量を1Lに減らしたばっかりじゃない、在宅酸素になることも想定していたのに!あっさり無くなってしまった。いやいいことだけども。

左心低形成症候群として生まれたきょうちゃんは入院中は酸素吸入のお世話になっていたものの、在宅酸素は未経験。今回の手術・入院でも在宅酸素は必要ないだろうと相成った。ここまで在宅酸素未経験て、なかなかないのでは…?

入院中酸素ボンベを背負ってプレイルームに行ったり抱っこして散歩したりしたけど、重いわチューブが絡まるわで邪魔くさくて仕方なかった。これを家で、出かけ先でやっている在宅酸素ユーザーの皆さんには頭が下がります…いつもお疲れ様です。

そして離乳食はというと…

大丈夫、わかってた。わかってたよ…

昨日よりベッドを離れて遊ぶ時間が少し長くなった。

 

術後14日目

昨夜は寝入ると90にまで落ち込んでいたが、酸素は無しのままだった。
今日は歩くことに意欲的であった。歩くと色々な人からすごいねー!とめちゃくちゃ褒められるのでにやつきながら闊歩していた。まだまだ繋ぐ手は離せないくらいふらふらしているけど、また一歩進んだね。
今日の離乳食は完全に冷ましたスープ三口とりんご一口。麦茶ではないものを与えられるとすぐに麦茶を要求。やっぱりいやなんだな、胃ろうだなと改めて諦めがついた。胃ろうさん、あなたは悪くないの…また手術を受けさせるのが辛いだけ…

 

術後15日目

突然明日退院でもいいですよと告げられる。びっくりして混乱してしまった。ワーファリンの薬のコントロールも出来てきたし、採血しかすることがないからだって…えええ…ほんと、退院って決まるの急だよね。昨日の時点では退院は来週中かなって言われていたのに…でも嬉しい!
離乳食3日目は冷めたスープを3口だけ。うちでもやろう。

全然関係ないけど、おかあさんといっしょの2月の歌「きみイロ」の歌詞の「イロ(色)」っていうところ、全部「胃ろう」に脳内変換されてしまっていた…「イーロ胃ろう!とりどりの胃ろう!めイロもすすーんで、いざま胃ろう!」ってね…ちょうど胃ろうのことについて考えていたからさ…いざ参ろう!胃ろう!(自棄)


今日まで続いていたヘパリンも中止し、ラスト1つのルートも無くなった。これできょうちゃんの身体につけられているのはサチュレーションと心拍、呼吸数をチェックするためのモニターのみとなり、ベッドを離れる時にはそれらも全て取り外すことができた。数日前には背中に酸素ボンベ、片手にきょうちゃん、片手に点滴スタンド(というのか?)という重装備だった私は、何も持つ必要は無くなった。ら、楽…!

きょうちゃんはというと、ずんずん歩いた。ふらつきも昨日までとは打って変わって、点滴が君の何かを押さえていたのかい?ピッコロがマントを脱いだ後みたいな感じかい?というくらい(わかりづらいね)ずんずん歩いた。久しぶりにたくさん歩いたおかげか、最近していなかった昼寝をした。

 

術後16日目

退院!

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トリクロで寝たまま退院おめでとう~と見送られ、車に乗せられ、家のベッドに寝かされたきょうちゃんからしてみれば、病院のベッドで突然眠たくなって寝て起きたら家にいるという…「あれっ、びょういんにいたはずなのに…ぜんぶゆめだったのかなあ」とか夢オチみたいになってないかな…ないよね…

 

まとめ

カレンダーにまとめるとこんな感じ。改めて見ると、短かったね…一か月は入院だろうなと考えていたし。出張中でずっと会っていなかった循環器の主治医に退院後の外来で会ったときにも「退院早かったですね~」と驚かれた。

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終わりに

元気に退院したものの、術後に何かしらの感染症にかかったら大変なので、基本的に引きこもり生活を続けている。特に今世間の注目の的になっているコロナウイルスは肺炎を引き起こすものらしいから、フォンタン術後のきょうちゃんとは相性最悪。重症化する恐れが高い(と私は認識している)。感染させるわけにはいかないのだ。

刺激は多くない毎日だけれど、フォンタン手術を終えてからというものの、おしゃべりがぐんと増えた。そしてへたっぴだけど歌を歌うようになった。よく歌っているのはおかあさんといっしょの「新幹線でゴー!ゴ・ゴー!」。なぜかサビ前で歌うのをやめてしまうけどね。

声を出すことが増えたり、昼寝をあまりしなくなったりしたのは、術後サチュレーションが上がって息苦しさが無くなった(少しは残っているかもしれないけど)からかなと推測している。これからの成長が楽しみ。

先日の外来ではサチュレーションが90と思ったよりも低く(術後92~94くらいで落ち着くといいなと言われていた)気がかりではあったが、きょうちゃんがしんどくなさそうだからまあいいかと深く考えてはいない

これで、心臓に対しての外科的治療は一旦終了です。一旦。

改めて、きょうちゃんのことを応援してくださった皆様、ありがとうございました!

余裕があったら入院記録に書けなかったこぼれ話記事でも書こうかな~

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*1:体内に溜まった水分や血液、リンパ液などを排出するための管。お腹の辺りから入っている。

*2:動脈血のヘモグロビンのうち何%が酸素と結合しているかを表したもの。96~99%が正常値だそう。SpO2とも。